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2005年11月
システムを知ることが大切
  オルタネータ・ワーニング・ランプが点灯したままという、平成11年式カペラワゴンのトラブル事例を紹介する。
 充電状態を調べたところ、充電はしておらず、オルタネータの2極コネクタを外してもワーニング・ランプは点灯したままだという。
 その2極端子の電圧はそれぞれ0Vだったので、どういった回路になっているのかという問い合わせがあった。
 通常、ワーニング・ランプは図1のようにオルタネータ内のICレギュレータによって制御されており、エンジン停止中は発電が行われていないのでP端子は0Vである。
 これをICレギュレータが検出し、チャージランプのアース回路であるL端子をアースさせランプの点灯となるわけである。
 また、エンジン回転中はB端子やS端子電圧により過充電や充電不足を検出し、同じくL端子をアースに落としてワーニング・ランプを点灯させる。
 よって、L端子を抜けばワーニング・ランプは点灯しないはずである。なのに、この車は2極コネクタを外しても点灯したままだという。
 最近はほとんど使われていないが、仮にリレーを使っていれば、コネクタを抜くと点灯したままになるが、抜いたコネクタのL端子電圧はバッテリ電圧にならないといけないはずである。
 おまけに、もう一つの端子(通常は充電状態を検出しているS端子)も0Vだという。これでは、ICレギュレータも作動せず、充電するはずがない。
 なんか変なのでオルタネータに記されている端子名を見てもらったところ、P端子とD端子ということである。
 P端子はPHASEの頭文字でステータコイルに繋がっているのが一般的だが、D端子というのは聞いたことが無い。
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