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2019年5月
DPFとエンジン警告灯の同時点灯

DPF警告灯が点滅し、エンジン警告灯も点灯しているという、平成20年式ボンゴ(車両型式ADF-SKF2V、エンジン型式RF、走行距離15万6千km)のトラブル事例を紹介する。

県外から大分県を通過し、そのまま目的地(別の県外)に向かう途中でこのような状況になり入庫したらしい。

ユーザーからは、このままの状態でも目的地まで自走できるだろうかと尋ねられたという。

メーカーによって多少異なるところもあるが、DPFの再生指示を無視して走行すると、出力制限がかかったり、場合によってはDPFに深刻なダメージを与えてしまい、DPFの交換が必要となってしまうケースもある。(今回の車の状態では、資料1にある出力制限Aが入っているようだ)

近距離の移動ならいざ知らず、この状況で県をまたいで移動するにはリスクが大きい。

まずは強制再生を行い、DPFに堆積したPMを除去する必要があるのだが、DPFランプが点滅し、同時にエンジン警告灯が点灯している場合は、診断機からの強制再生指示しか受け付けてくれない場合が多い。(資料1参照)

上記を相談者に伝えたところ、当会に入庫した次第。

まずDTCを確認したところ、「P2458」(DPF過堆積:中)、「P2463」(DPF過堆積:大)を検出していた。

試しにDTCを消去してみたが、ものの数秒でエンジン警告灯が点灯し、同じDTCを出力する。

やはり決められた手順で故障診断を行わなければ、DTCは消去できないようだ。

細かなところは省略するが、修理書を確認すると、強制再生を行った後に学習作業を実施するという流れであった。

診断機で強制再生を約80分間行い、修理書に記載されている「燃料噴射量学習」「排気圧センサ初期化」「DPFデータ・リセット」を実施後にDTCの消去を実行したところ、DTCを再出力しなくなった。

ひとまずはこれで走行できる状態にはなったのだが、今後運転中に頻繁にDPFの再生指示(DPFウォーニング・ライトの点灯)が出るようであれば、DPFの交換が必要と思われる旨を説明した。

ちなみに、強制再生を実施する前と後の差圧センサのデータモニタの値は、歴然とした差があった。(資料2参照)

DPFシステムを搭載した車両もかなり増えているため、同じような経験をしたメカニックも多いし、ユーザーもまた、無視して走行すると大きな出費に繋がるという認識は広がってきていると思う。

しかし、まだまだ知らないメカニックやユーザーが多いのも事実である。

DPFを搭載した車両が顧客にいるようであれば、車検やオイル交換で入庫した際に、差圧センサのデータをとる等し、場合によっては再生作業を行えば未然にトラブルを防ぐことも可能になる。

また、技術料をいただくこともできるかもしれない。

ディーゼルエンジンも診断機を有効に活用することが必要な時代なのである。

《技術相談窓口》


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