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 チェックランプが点灯したままなので、Tc端子がECU〜ダイアグノーシスコネクタ間で断線しているようである。(後で調べると、室内にもOBDコネクタがあるようになっており、エンジンルーム内のTc端子はそもそも使ってないのかもしれない)
 しかたがないので、ECUのコネクタ部でTc端子とE1端子を短絡した。するとダイアグノーシスコード「19」を表示した。このコードはアクセル開度センサ系の断線、ショートを意味する。
 アクセル開度センサのコネクタを抜き、エンジンをかけた。アイドル回転は問題ないがアクセルペダルを全開まで踏み込んでも1000rpmちょっとしか回転は上がらない。
 依頼者にその状態を試してもらうと、不具合発生時と同じだという。
 予想どおり、アクセル開度センサ系の不具合によりフェイルセーフ状態になっていたようである。
 原因の推定はできたが、あとはその部位である。センサ自体の不良なのか配線の不良なのかは症状が出ているときでなければ断定できない。
 ただ、この車の場合、アクセル開度センサの配線が通っている、運転席から中央にかけてのカウルパネルが、変形するほどの事故をしているので、その時の事故の影響で配線の断線またはショートが考えられる。配線を調べてもらうようにし、配線に問題がなければセンサの交換をするようにお願いした。
 なお、電子制御式ジーゼルエンジンについては、平成12年度整備主任者技術研修資料に各メーカーの分は載っているので、修理の際は参照を。
≪技術相談窓口≫
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