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2012年3月
トラクション・コントロール・システムの解除方法

車検に来たのだが、トラクション・コントロール・システムが解除できず、スピード・メーター・テスターで点検ができないという、平成21年式カローラフィールダー(車両型式DBA-ZRE142G、エンジン型式2ZR)の事例を紹介する。

ご存知のように、トラクション・コントロール・システム付きの車両をそのままスピード・メーター・テスターにかけると、車速が上がらずに検査することができない。

このため、トラクション・コントロール・システムを解除するためのスイッチが取り付けられており、スピード・メーター・テスターにて点検する場合には、そのスイッチを押すことでシステムの解除ができるようになっている。

しかし、今回の車両にはそのスイッチがいくら探しても見当たらない。

運転席と助手席の足元、グローブ・ボックスの中とその裏、センター・コンソール、さらに念のため、運転席と助手席のシート下も見てみたが、どこにもない。

解除スイッチはないのに、D レンジに入れアクセルを踏み込むと、システム作動を示すインジケータ・ランプが点灯する。

そういえば、トヨタのハイブリッド車は整備モードに移行させるために特別な操作をする必要がある。ひょっとするとトヨタの新しい車はスイッチを廃止し、特別な操作を必要とするようになっているかもしれないと思いファイネスで調べてみると、やはりあった。

手順については最後に説明するが、トラクション・コントロール・システムを解除するためには、整備モードへ移行させる必要があるとのこと。

修理書に記載されている手順を実行すると整備モードに入り、トラクション・コントロール・システムが解除され、スピード・メーター・テスターにて点検することが可能となった。

今回の車両に限らず、トヨタの新しい車両は全てこのような解除方法になってきている可能性を考え、最新の数車種の修理書を確認したところ、やはり同じように解除スイッチは廃止されていた。

ただし、調べた限りでは整備モードヘの移行方法は全て共通であった。

カローラフィールダーの整備モードヘの移行方法を紹介するので、継続検査時にぜひ活用して欲しい。

尚、文章よりもタイムチャートの方がわかりやすいという人向けに、タイムチャートも作成してみた。

こちらにはハイブリッド車の整備モードヘの移行方法も併記しているので、是非こちらも活用して欲しい。

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