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2017年2月
大量の黒煙排出の犯人は…

エンジン不調は感じないが、MIL が点灯したままになっている、平成12年式のいすゞ・エルフ(KK-NKR71EA、エンジン型式4HG1、走行距離24万km)のトラブル事例。

さっそくスキャンツールを接続して調べてみると、DTC「45」(EGR コントロール・バルブ系異常)を表示した。(図1参照)

このDTC の検出条件は、EGR コントロール・バルブの開度がエンジンECUの目標値と異なる場合である。

EGR コントロール・バルブのリフトセンサーの電圧を測定してみると、4Vであった。

エンジン停止時は、EGR コントロール・バルブは閉じているので、もっと低い電圧でなければならないはずだ。

整備マニュアルで調べてみると、全閉時は0.1V となっており、目標電圧との差が2.5V 以上の状態が5秒以上続くと、前述のDTC を検出するロジックになっている。

EGR コントロール・バルブを叩いてやると電圧が変化することから、開いた状態で固着していると思われる。

モーターの回転によってバルブの開度を変えて、その開度をセンサーで検出する仕組みになっている、EGR コントロール・バルブを新品に交換することにした。

エンジン不調は感じないということだったが、テールパイプからの黒煙は酷く、このことからもEGR コントロール・バルブが開きっぱなしであったことがうかがい知れる。

部品を新品に交換してからは、MILは消灯して黒煙の排出も減少した。

分解した部品の様子を図2に示すが、内部にはカーボンやデポジットが大量に付着していて、これらがバルブの動きを妨げていたものと考えられる。

《技術相談窓口》


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