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2018年10月
ブレーキ警告灯が点灯する理由

ABSの警告灯が点灯するという、平成17年式のウイッシュ(車輌型式ANE11)のトラブル事例を紹介する。

スキャンツールでDTCを調べたところ、「C1249」(ストップランプ・スイッチ断線検出)を表示した。ブレーキペダルを踏むとストップランプはすべて点灯するが、少し暗かった。

DTCの検出条件を調べてみると、図1に示すようなロジックになっていることがわかった。

具体的には、ペダルを踏んでいない時にストップランプが点灯しない程度の微弱電流をブレーキ・アクチュエータから流して、ふたつの抵抗とストップランプの合成抵抗とで分圧された電位で、ストップランプ回路の良否を判断しており、ペダルを踏んだ時にはバッテリー電圧が掛るかどうかでスイッチ回路の良否を判断している。

ストップランプが暗かったのが気になるので、ペダルを踏んだ状態で電圧を測定してみると、7V〜8Vしか供給されていなかった。

ストップランプ・スイッチの上流側は12Vあるので、スイッチで約5Vの電圧降下が発生していることになる。

図2に示すスイッチを新しい物と交換すると電圧降下は改善され、ストップランプも明るくなった。

ストップランプのいずれかが球切れした場合は、合成抵抗が正常時より大きくなるので、断線検出回路の電位が高くなることで異常を検出する仕組みである。

したがって、本来のストップランプと異なるワット数のランプを取り付けたり、ランプの種類(白熱電球⇔LED)を変えると、負荷の合成抵抗が変わるので、誤って検出してしまうので注意が必要である。

これに関連したことが、日整連が毎月発行している「技術情報・2018年6月号」に掲載されているので、ぜひ目を通していただきたい。
参考掲載

《技術相談窓口》


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