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 クランキング時にECUの電源が0Vになるので火花、インジェクタ、フューエルポンプと全てが作動しなくなりエンジンがかからなかったようである。
 あとはどこで電源がドロップしているかを調べればよいことになる。
 この電源は図2のメインリレーから供給されているので調べると、リレーはキースイッチONではONしていたが、クランキングするとOFFしていた。リレーのコイル側の電源が来ていないので、エンジンヒューズ部で電圧を調べると、同じくクランキング時に0Vになっていた。
 次にこのヒューズの供給元であるイグニッションスイッチのコネクタ部で電圧を調べると、バッテリからの供給側は12Vあるのに出力側のIG1は0Vになっていた。イグニッションスイッチ内のIG1接点が、START位置になった時に接触不良をおこしていたようである。
 分解して接点を磨いてみたが変わらなかったので交換することにした。
 平成16年度の整備主任者技術研修でも行ったように電圧が正規より低い場合は、その個所からバッテリの側に順番に点検していけば、必ずどこかでドロップしているところがあるのである。
 参考までに、イグニッションスイッチ部の基準電圧を図3に記載しておく。
 それにしてもダイアグノーシスコネクタにFEN端子が無かったのは何故だろう。
《技術相談窓口》

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